2014年6月25日水曜日

ラナデルレイ


この半年ラナ・デル・レイばかり聴いています。
この人は大層魅力的な人で、底が見えなそうで案外底が浅い、が全てが見えてこない人です。最近この人に取り憑かれてしまったような気分です。

サッドコア、ギャングスタ・ナンシー・シナトラと自称している、ひとめみれば可憐な美人ですが、八重歯をゴールドに変えていたり、けれどタトゥーはしていなかったり、美しくゴージャスですが私服が夢をぶちこわすダサさだったりで魅了されます。古き良きアメリカをテーマに掲げているようでもあり、DV男に暴力振るわれても彼には私がいないとだめなの的なバンドマンの女みたいでもあり、全てお見通しよブリジット・バルドーのようでもあり、多面的ですが、中身はインディーズ時代に出したようなフォークソングの素朴な女の子に思えてなりません。
歌詞も声も、イッちゃってる女の子と母なる愛とカルメンのような魔性な女と少女性をいったりきたりしていて、予想不可能です。もちろん声質が曲の中でもどんどん変わるのである程度加工していることをふまえても、生歌でのCDとまるっきりちがうところも良いです。生歌では本当にただの女性、という感じ。
何がこうも惹きつけられるのかというと、彼女の中の偽物っぽさ、いつか全てが嘘でしたと裏切られそうな部分と、曲のなかの確かな実力であると思います。CDのなか、PVのなかで完成されていて、実際に歌う彼女の嘘っぽさ(というとかなり失礼)に惹かれます。
この路線でいこうと決めたのは彼女自身なのか周りの大人なのかわかりませんが、インディーズ時代のさわやかな美しい声だけではなくて、無理して出しているような低い声、ビジュアルに上記のへりくつ抜きにしてもうとってもすきです。クラシックな音楽で自らが白人的美人であるのに、周りのピアノギターバンドマンを黒人でまとめるバランス。PVで恋人役はほとんど親父、などあざとい!けれど釣られてしまう。わかっていても私も興奮の渦中に入れてくれ!なんて思ってしまいます。
アルバムBorn to dieのイントロと畳み掛けてくる前半4曲は、何度聴いたかわかりませんが、よいです。眠りの森の美女のonce upon a dreamもよいです。よいです。

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